津軽三味線教室 生徒の独り言 その24

三味線を習いたいと思ったキッカケは?

NANIGASHIです。コロナ禍下の「巣ごもり需要」でしょうか。多くの方々から、無料体験レッスンの希望を頂くようになってきております。

習いたいと思ったキッカケを聞くと、昨今では民謡が好きだからという回答はほとんどなくて、代わりに「迫力ある三味線の音にあこがれて」とか「ゲームやアニメのテーマ曲を弾いてみたい」とかが多くなって来ましたね。かくいうNANIGASHIの最初のキッカケもその大迫力の音響に魅了された点でした。当時は、津軽民謡のツの字も知らない状況でした。ですから、最初の先生には、「♪赤い頬かむりヒラヒラと~♬」と、軽快なリズムの曲を聞かされ、これが『津軽おはら節』よ、有名だから知ってるでしょ? と説明されるも『知ら~ん、何それ?』という感じでした。

しかし、その事を始めとして津軽民謡に触れる機会も多くなり、この楽器の奏法の原点はまさにそこであるな、と理解できるようになりました。

三味線の構造は、大きな点では皆、同じです。

棹に太鼓を付けて、弦は三本、これだけ。津軽三味線も、長唄三味線も、沖縄三線も基本構造は皆同じの、そんな単純構造。

ただし、弾く曲によって、部品のサイズとかバチ等の付属品とか奏法とか色々大きく異なってきます。

詳しくはこんなページがあります。https://wa-gokoro.jp/wagakki/shamisen/

三味線の中でも、津軽三味線は、弦楽器としてだけではなく皮にバチを打ち付ける打楽器の要素も含み、「うなり」も加えて他の三味線にはない、津軽三味線独特の躍動感のある迫力を生み出します。ですから、テンポの早い大音量の最近のPOPSを弾くにもピッタリであり、よって昨今、マスメディア上で津軽三味線曲(決して津軽民謡ではないが)が流れる機会が多いのでしょうか。他方、沖縄三線も、特にBEGIN等の親しみ易く優しい旋律と共に耳にする機会が多く、よって習いたい方も多いのではないでしょうか(これも沖縄民謡でなく、あくまでBEGIN他が作った現代風島唄ですね)。

佐々木孝流は、『津軽三味線の教室』です。しかし、たまに長唄や沖縄三線に本来興味のある方が訪れたりします。過日は義太夫三味線が希望の方が、同じ太棹三味線を使うからと、無料体験にいらっしゃいましたよ。 確かに初心者には、何がどうなのかわからないですよね。三味線なら何でも同じに思えてしまうかも。しかし、取りあえず何かの三味線を習おうではダメで、奏法や装備も異なる事から、後々、後悔することにならない為にも、まずはどんな曲を弾きたいかの自身の要望をしっかり固め、教室の選択は慎重にして頂くと共に、指導者側もしっかりと説明すべきと思います。

なお、余談として、これはあくまで全くの個人的な感想であり、ご本人が納得されているなら全くOKな前提の話ですが、7年前位に見たTV番組で、三味線が大好きな米国テネシー州の女性が日本にご招待されるという内容の番組でした。吉田兄弟さんにあこがれていた事から、多分ご興味は津軽三味線なのに、また、日本での訪問先も津軽三味線の演奏の場でしたのに、どうみても習っていたのは長唄の三味線で、ご自身の演奏風景も弾き語りの細棹三味線でした。余計なお世話かもしれませんが、指導者の方は説明しているのでしょうかね。やや残念な気持ちになりました。

教訓? 『茶の道は 見てこそ習え 習わずに 良し悪しいうは愚かなりけり~千利休』 でも、このお茶は飲茶なのかAfternoon teaなのか、千利休さんには説明欲しいよね。

#三味線を習いたい

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